特集 日頃の感染症診療で気になる疑問2022
診療時の疑問
高齢者の感染症診療の注意点は?
藤田 崇宏
1
1国立病院機構北海道がんセンター 感染症内科
キーワード:
免疫老化
,
耐性菌リスク
,
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)
Keyword:
免疫老化
,
耐性菌リスク
,
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)
pp.207-211
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_207
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Summary
▪高齢者は感染症の頻度の高い集団である.
▪高齢者の感染症のパターンは生活環境の影響を受ける.
▪非特異的な症状が重症感染症の徴候になりうることに注意する.
▪耐性菌保有リスクが高い患者の肺炎では緑膿菌のカバーがある薬剤を初期投与に用いる.喀痰培養で耐性菌が検出されなかった場合は積極的にde-escalationを行う.
▪無症候性細菌尿と尿路感染症の区別のためには他の部位の感染症の除外が必要である.
▪集団生活を送る高齢者の気道感染症では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)も含めた気道感染ウイルスの施設内流行の存在を疑う.
▪高齢者の入院診療では入院そのものによる機能低下を予防するよう多職種で介入する.
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