特集 “認知症+併存疾患” アプローチの最前線
Overview
認知症の疫学・病態・診断・検査
内田 一彰
1
,
櫻井 孝
1
1国立長寿医療研究センター もの忘れセンター
キーワード:
疫学
,
病態
,
診断
,
検査
Keyword:
疫学
,
病態
,
診断
,
検査
pp.1243-1249
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_1243
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Summary
▪わが国における認知症患者は増加の一途をたどっており,認知症のなかでもAlzheimer型認知症(AD)が増加している.
▪全世界における認知症患者の総数は今後も増加することが予想されているが,その推移は国や地域によって異なる.また,西欧や北米における経済水準の高い先進国の一部では,教育歴の上昇,動脈硬化性疾患の管理の影響で有病率が減少傾向であることが報告されている.
▪認知症の原因疾患は数多く,なかには治療可能な内科的疾患が原因の場合もあるため,適切な鑑別診断と早期治療が重要となる.
▪適切な鑑別診断には,問診や認知機能検査,脳画像検査,血液検査など複数の検査を含めた包括的な判断が必要となる.
▪近年,新たな血液バイオマーカーやPET薬剤の開発など,脳の病態をより反映した認知症診断を行うための研究が進められている.
© Nankodo Co., Ltd., 2022