発熱すると食事ができなくても血糖が高くなることがある

糖尿病と易感染性

　感染症は，悪性新生物に次いで日本人の糖尿病における死因の第2位（17.0％）を占めている^1）．糖尿病患者は，多核好中球の遊走能，接着能，貪食能，殺菌能が低下している^2）と考えられており，加えて，細小血管合併症たとえば腎症による人工透析，自律神経および感覚神経障害による皮膚乾燥や神経因性膀胱，胆囊収縮異常，疼痛閾値の低下や，大血管合併症による血流不全も糖尿病患者の感染症の遷延および重症化に寄与する．こうした糖尿病患者特有の背景は，血糖コントロールが不良な場合には感染症を遷延させ，重症化させるリスクとなる．