特集 意外と知られていない⁉ 自科の常識・他科の非常識
第9章:糖尿病
HbA1cのみでなく「time in range」を考慮した治療が重要である
菅沼 由佳
1
,
西村 理明
1
1東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科
キーワード:
血糖コントロール指標
,
血糖変動
,
持続血糖モニター(CGM)
,
time in range(TIR)
Keyword:
血糖コントロール指標
,
血糖変動
,
持続血糖モニター(CGM)
,
time in range(TIR)
pp.654-657
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_654
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HbA1cと血糖値
糖尿病は生涯にわたって治療が必要な疾患である.その治療の目的は,合併症の発症や進展を抑制し,健常人と変わらない生活を送ることができるようにすることである.一般に,糖尿病治療における血糖コントロール指標としては,HbA1cと血糖値が使用されることが多い.HbA1cは過去1~2ヵ月の平均血糖値を反映しており長期的な血糖コントロールの指標であるため,外来で診察する際に非常に便利な指標である.しかしながら,HbA1cが良好であるにもかかわらず採血時の血糖値が著しく高値の場合や,血糖値70mg/dL未満の低血糖を認める場合など,血糖値とHbA1cが乖離している症例をたびたび経験する.
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