特集 リンパ腫診療―診断の入り口から治療まで
各病理組織型のリンパ腫の治療
Burkittリンパ腫
酒井 リカ
1
1神奈川県立がんセンター血液・腫瘍内科
キーワード:
MYC遺伝子転座
,
高悪性度B細胞リンパ腫
,
中枢神経浸潤
,
腫瘍崩壊症候群
Keyword:
MYC遺伝子転座
,
高悪性度B細胞リンパ腫
,
中枢神経浸潤
,
腫瘍崩壊症候群
pp.251-254
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_251
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪Burkittリンパ腫(BL)はMYC遺伝子と免疫グロブリン遺伝子の相互転座を特徴とする高悪性度B細胞リンパ腫であり,小児~若年成人に多いが,成人悪性リンパ腫では全体の約1%とまれな病型である.
▪中枢神経浸潤をはじめ節外病変が多く,進行増殖のスピードはきわめて速い.多くが進行期で診断される.
▪初回治療においては腫瘍崩壊症候群の合併頻度が高く,十分な対策をとる必要がある.
▪中枢神経浸潤予防を組み込んだ,短期集中型の強力な多剤併用化学療法や用量調整持続静注併用化学療法とrituximabの併用により,治癒が期待できる病型である.
▪初期治療抵抗性あるいは再発後の予後は不良であり,標準治療は確立していない.
© Nankodo Co., Ltd., 2021