特集 2020年代の内科診療―26テーマの近未来予想
腎臓内科
[透析療法]
シンバイオティクスによるアルブミン結合毒素の抑制
-透析療法の変遷と課題を踏まえて
阿部 貴弥
1
1岩手医科大学泌尿器科学講座
キーワード:
生命予後
,
インドキシル硫酸
,
シンバイオティクス
Keyword:
生命予後
,
インドキシル硫酸
,
シンバイオティクス
pp.1177-1180
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_1177
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Summary
▪わが国の透析療法は世界最高水準といわれているが,年間粗死亡率はおおむね9~10%で推移しており,この30年間ほぼ横ばいである.また透析人口の平均余命は,どの年齢においても同性・同年齢の一般人口平均余命のおおむね半分であるなどの問題点を有している.
▪透析患者の生命予後の改善を目指して,透析合併症に対する薬物療法や大分子量物質の除去向上など透析技術が進歩してきた.透析療法に残された問題として,インドキシル硫酸蓄積があげられる.インドキシル硫酸の透析除去効率は不良なため体内に蓄積し,悪影響を及ぼしている.
▪インドキシル硫酸の蓄積に対して,シンバイオティクスの概念による腸内細菌叢の是正による治療法の確立が望まれる.
© Nankodo Co., Ltd., 2021