特集 CKD患者を診たら―最近のCKD診療の知見とその活かし方
一般診療でも遭遇する腎臓の指定難病
急速進行性糸球体腎炎(RPGN)
長谷川 みどり
1
,
坪井 直毅
1
1藤田医科大学腎臓内科学
キーワード:
急速進行性糸球体腎炎
,
ANCA関連血管炎
,
抗糸球体基底膜抗体型半月体形成糸球体腎炎
Keyword:
急速進行性糸球体腎炎
,
ANCA関連血管炎
,
抗糸球体基底膜抗体型半月体形成糸球体腎炎
pp.1051-1056
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_1051
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Summary
▪急速進行性糸球体腎炎(RPGN)は「急性あるいは潜在性に発症する血尿,蛋白尿,貧血と急速に進行する腎不全をきたす症候群」(WHO)または「腎炎を示す尿所見を伴い数週~数ヵ月の経過で急速に腎不全が進行する症候群」(厚生労働省)と定義される.
▪過去になかった血尿や蛋白尿が認められ,eGFR<60mL/分/1.73m2,CRP高値や赤沈促進,3ヵ月以内に30%以上のeGFR低下がある場合は,RPGNの可能性があるので,腎臓専門医に紹介する.
▪抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎の初期治療には副腎皮質ステロイドと可能な限りcyclophosphamideあるいはrituximabの併用が推奨される.
▪抗糸球体基底膜(GBM)抗体型半月体形成糸球体腎炎では副腎皮質ステロイドパルス療法,cyclophosphamide,血漿交換療法の併用が推奨される.
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