特集 腎疾患
【急性腎障害(AKI)】
【コラム】急速進行性糸球体腎炎(RPGN)—発症早期にRPGNを想起することが重要
鮫島 謙一
1
Kenichi SAMEJIMA
1
1奈良県立医科大学 第1内科
pp.105-110
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900397
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急速進行性糸球体腎炎rapidly progressive glomerulonephritis(RPGN)は,WHOにより,「急性あるいは潜在性に発症する肉眼的血尿,蛋白尿,貧血,急速に進行する腎不全症候群1)」と定義されている。厚生労働省特定疾患進行性腎障害に関する調査研究班報告による「急性進行性腎炎症候群の診療指針第2版」(以下「本邦ガイドライン」)2)では,RPGNを「腎炎を示す尿所見を伴い数週から数か月の経過で急性腎不全が進行する症候群」とし,確定診断指針(表1)が示されている。
なお日本腎臓学会では,RPGNの日本語表記を「急速進行性腎炎症候群」と定めているが,本稿では便宜上「RPGN」の記載で統一する。また,RPGNは,病理組織学的には必ずしも壊死性半月体形成性糸球体腎炎を呈するわけではないが,大半の症例にならい,本稿ではこれについて述べる。
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