特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第5章 感染症
輸入感染症
圓尾 友梨
1
,
大路 剛
1
1神戸大学医学部附属病院感染症内科
pp.745-748
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_745
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渡航後の患者の診療
渡航後に病院を受診する患者の主訴は,発熱,下痢,発疹や呼吸器症状が多い.発熱の原因は多岐にわたるため,まずは生命を脅かす重篤な疾患と,他の人に感染するリスクが高い疾患を特定し治療することが重要である1).生命を脅かす重篤な疾患には,熱帯熱マラリア,腸チフス,パラチフス,レプトスピラ症,リケッチアなどが報告されている2).死亡の原因となる疾患は,熱帯熱マラリアが最も多く,次にメリオイドーシス,重症デング熱,ツツガムシ病,脳炎が,熱帯感染症以外ではインフルエンザ,細菌性肺炎,敗血症がある1).
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