特集 COVID-19に正しく立ち向かうために
COVID-19の診断および治療
favipiravir,remdesivir
笠原 敬
1
1奈良県立医科大学感染症センター
キーワード:
favipiravir
,
remdesivir
,
RNAポリメラーゼ
,
COVID-19
,
催奇形性
Keyword:
favipiravir
,
remdesivir
,
RNAポリメラーゼ
,
COVID-19
,
催奇形性
pp.73-76
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_73
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Summary
▪favipiravirもremdesivirもヒトの細胞内で三リン酸化されて活性を発揮し,ウイルスのRNAポリメラーゼを阻害することにより抗ウイルス作用を示す.
▪favipiravirのほうが開発は早かったが,remdesivirのほうがCOVID-19に対する臨床的なエビデンスが豊富であり,本邦でも2020年5月7日に特例承認された.
▪favipiravirは胎児への催奇形性のリスクがあるために,妊婦には投与禁忌となっている.また,尿酸値の上昇や肝機能異常などが頻度の高い副作用として知られている.
▪favipiravirとremdesivirの投与開始の基準やタイミング,両薬剤の使い分けなどはまだ確立していない.remdesivirは酸素吸入を要する中等症以上の患者で症状改善までの期間を短縮させる.favipiravirは経口投与可能な軽症・中等症患者での臨床試験が行われている.
© Nankodo Co., Ltd., 2021