特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第3章 腎臓
糖尿病性腎症
馬場園 哲也
1
,
花井 豪
1
1東京女子医科大学糖尿病センター内科
pp.629-631
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_629
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糖尿病性腎症は,細小血管障害に分類される糖尿病性慢性合併症の一つである.腎症が進行して末期腎不全にいたると透析療法あるいは腎移植が必要となる.日本透析医学会の統計調査によると,わが国で2019年に慢性透析療法を導入された患者3万8,557名および同年末の全透析患者33万2,599名のうち,それぞれ1万6,019名(41.6%)および12万9,968名(39.1%)が糖尿病性腎症患者であり,いずれにおいても最も多い慢性腎臓病である.なお,透析導入にいたる糖尿病性腎症患者は最近まで増加の一途であったが,この数年間ほぼ横ばいで推移している.ただし,透析を受けている糖尿病性腎症患者の総数は,いまだ増加傾向にある.
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