特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第2章 消化器
機能性ディスペプシア
山脇 博士
1
,
二神 生爾
1
,
岩切 勝彦
2
1日本医科大学武蔵小杉病院消化器内科
2日本医科大学消化器内科学
pp.560-562
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_560
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診断基準
近年本邦の上部消化管疾患において,その疾患構造が大きく変化してきている.日々の内視鏡検査を通じてもHelicobacter pylori感染胃炎の減少,H. pylori除菌後の患者の胃粘膜の改善,逆流性食道炎の増加などを肌身に感じることが多い.2013年にH. pylori感染胃炎が保険適用として追加されたこと,衛生状況の改善によって,若年世代のH. pylori感染率が激減していることが背景にある.こうした状況で,過去に多く認められた慢性胃炎,胃潰瘍,胃がんといった疾患が減少している.一方で,生活習慣の面から,欧米型の食生活が広がり,胃酸分泌量や胃液の逆流が増加することが知られている.
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