Book Review
消化性潰瘍診療ガイドライン2020(改訂第3版)
村上 和成
1
1大分大学医学部消化器内科 教授
pp.295-295
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_295
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『消化性潰瘍診療ガイドライン2020』が発刊された.改訂第3版となり,5年ぶりの改訂である.日本消化器病学会の編集で,日本消化管学会と日本消化器内視鏡学会が協力学会となっている.第2版も手元にあるが,第3版は214頁から226頁へと厚みを増している.わが国の消化性潰瘍の患者数は,ピロリ菌除菌治療の普及や薬物治療の進歩により急激に減少している.本冊子の「疫学」パートから参照すると,この30年間で胃潰瘍が1/4,十二指腸潰瘍はなんと1/10に減少している.消化性潰瘍の減少は近年行われる内視鏡検査で確かに実感できることと思われる.しかし,疫学的には変化がみられ,患者の年齢は高齢化し,潰瘍の成因はピロリ菌からNSAIDsやaspirinに移り,原因不明の潰瘍が増加している.
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