Book Review
インスリンポンプ療法マニュアル(改訂第3版)―CSII療法・CGM・SAP療法導入・管理の手引き
川浪 大治
1
1福岡大学医学部内分泌・糖尿病内科学 教授
pp.789-789
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_789
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- 文献概要
近年,糖尿病の治療は目覚ましい進歩を遂げている.発見から間もなく100年を迎えるインスリンも多くの製剤が市販され,持効型インスリンに加え,新規の超速効型インスリンの登場により,病態に応じたきめ細かな治療が可能になると期待されている.しかし,それでもなお,1型糖尿病やインスリン分泌が著しく低下した2型糖尿病においては,血糖コントロールに難渋する症例が多く存在する.そうしたなか,可能な限り生理的なインスリン分泌に近づけ,緻密な血糖管理を行うという点でインスリンポンプ療法は大きな力を発揮する.インスリンポンプを用いた持続皮下インスリン療法(continuous subcutaneous insulin infusion:CSII)に持続血糖モニター(continuous glucose monitoring:CGM)機能が付いたSAP(sensor augmented pump)やスマートガード(低血糖防止機能)の登場は,患者QOLの向上に大きく貢献しており,インスリンポンプ療法に大きなパラダイムシフトをもたらした.さらに最近では,国産のパッチ式インスリンポンプが発売され,チューブがなくコンパクトであるため服装面などの制約がないことから,機種選択の幅が広がっている.
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