特集 いま知っておきたい! 内科最新トピックス
第1章 呼吸器
急増する本邦での非結核性抗酸菌症の疫学・診断・治療
長野 宏昭
1
1沖縄県立中部病院呼吸器内科/地域ケア科
キーワード:
非結核性抗酸菌(NTM)症
,
診断
,
M. abscessus complex(MABC)
,
M. avium complex(MAC)
,
薬剤感受性
,
質量分析法
Keyword:
非結核性抗酸菌(NTM)症
,
診断
,
M. abscessus complex(MABC)
,
M. avium complex(MAC)
,
薬剤感受性
,
質量分析法
pp.391-395
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_391
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Summary
・肺非結核性抗酸菌(NTM)症の患者数は近年,増加傾向であり,その理由として,高齢社会,検査方法の改善などがあげられる.
・NTMは環境常在菌であり,肺NTM症の診断には複数の2回以上の異なる喀痰検体での培養陽性が必要となる.
・日本ではMycobacterium avium complex(MAC)が最も多く,M. kansasii,M. abscessus complex(MABC)がそれに次ぐ.
・MABCは3種のサブタイプに分類され,それぞれマクロライド系抗菌薬に対する感受性が異なる.
・質量分析法の導入により,同定可能な菌種が増え,診断能が向上した.
・治療薬はマクロライド系抗菌薬を中心とした多剤併用療法となる.治療開始時には専門医へのコンサルトが望ましい.
© Nankodo Co., Ltd., 2020