特集 どう診る? 急増する非結核性抗酸菌症,見逃せない結核
序文
どう診る? 急増する非結核性抗酸菌症,見逃せない結核
菊地 利明
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科呼吸器・感染症内科学分野
pp.156-157
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200538
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結核は,マラリアとHIV感染症と並んで,世界的な三大感染症に挙げられている.今なお世界人口の3割に当たる20億人が結核に感染している.しかし結核感染者の9割は,正常な免疫機能によって生涯発病せずに,いわゆる潜在性結核感染症として経過する.
本邦の結核罹患率は年々減少傾向にある.結核登録者情報調査年報によると,本邦における結核の罹患率(人口10万対)は10.1(2020年)まで低下してきた.ただし「罹患率10.1」は,世界的に見ると中蔓延国の位置付けであり,本邦において結核は決して「撲滅された過去の病気」ではない.
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