増え続けるアレルギー疾患-内科医にできる対策と治療 アレルギー疾患各論
喘息 かかりつけ医における慢性咳嗽の鑑別と治療
新実 彰男
1
1名古屋市立大学 大学院医学研究科呼吸器・免疫アレルギー内科学
キーワード:
胃食道逆流
,
咳嗽
,
気道感染
,
鑑別診断
,
副鼻腔炎
,
慢性疾患
,
気管支炎-慢性
,
家庭医
,
咳喘息
Keyword:
Cough
,
Diagnosis, Differential
,
Chronic Disease
,
Gastroesophageal Reflux
,
Respiratory Tract Infections
,
Physicians, Family
,
Sinusitis
,
Bronchitis, Chronic
pp.1047-1051
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017097354
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咳の鑑別診断には,持続期間や痰の有無を基本に,各疾患に特徴的な病歴を熟知することが重要である.3週以内の急性咳嗽では急性気道感染症(上気道炎)や感染後咳嗽が多く,3~8週の遷延性咳嗽では感染後咳嗽が最多である.慢性咳嗽(8週以上)では,咳喘息,胃食道逆流症,副鼻腔気管支症候群などが主な原因となる.実臨床では急性上気道炎が先行する短期間の咳で,発症早期の咳喘息と感染後咳嗽の鑑別がしばしば問題となる.病歴のポイントは,咳喘息では咳がしばしば夜間~早朝に優位で季節性の変動があること,感染後咳嗽は徐々にでも自然に改善すること,である.
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