連載 CONFERENCE ROOM
高度の肝機能障害を呈したA型インフルエンザウイルス感染症の1例
東京都健康長寿医療センターCPC
pp.2553-2563
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_2553
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症 例:84歳,男性.
主 訴:全身倦怠感,下腿浮腫.
山中 X−24年に糖尿病,高血圧症の診断で内服加療が開始となり,その後,糖尿病と腎硬化症が原疾患と考えられる腎機能低下を認めました.X−4年はCr 1.18mg/dL,尿蛋白1+,尿潜血2+でしたが,感染を契機として腎不全の増悪を繰り返し,X−2年にはCr 2mg/dL台まで上昇しました.同年9月に早期胃がんと直腸がんを認め,胃がんに対して内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)を施行するも根治せず,本人は積極的治療を希望しない意向であったため,ベスト・サポーティブ・ケア(BSC)の方針で経過観察となっていました.X年8月にCr 4.88mg/dLまで増悪し,全身倦怠感や下腿浮腫などの尿毒症症状が出現したため,透析導入目的で同月9日に当科入院となりました.
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