特集 2019年の白血病診療―新たな武器を上手に活用するために
白血病治療の合併症
白血病患者の妊孕性温存対策
蘆澤 正弘
1
1自治医科大学内科学講座血液学部門
キーワード:
妊孕性温存
,
性腺毒性
,
胚凍結保存
,
精子凍結保存
Keyword:
妊孕性温存
,
性腺毒性
,
胚凍結保存
,
精子凍結保存
pp.2129-2134
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_2129
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Summary
▪挙児希望のある症例においては,再発後の治療や早発閉経の可能性を見据えて,可能な限りで治療開始前に妊孕性温存について処置を検討する.
▪アルキル化薬を用いた化学療法や放射線照射の影響は強く,永続的な不妊になる可能性がある.
▪初発時の急性骨髄性白血病(AML)や急性リンパ性白血病(ALL)の標準的治療では,永続的不妊になることはまれである.
▪女性患者の場合,胚や未授精卵の凍結保存が推奨される.採卵が不可能な症例において造血幹細胞移植が行われる場合は,卵巣遮蔽全身放射線照射併用の前処置を行うことも選択肢の一つである.
▪男性患者の場合,治療開始後において確立された妊孕性温存の方法がないため,可能な限り治療前の精子凍結保存を検討する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019