2015年の白血病診療-一般外来での初発症状から長期フォローアップまで 白血病治療の合併症
白血病患者の妊孕性温存対策
蘆澤 正弘
1
,
神田 善伸
1自治医科大学附属さいたま医療センター 血液科
キーワード:
精巣
,
抗腫瘍剤
,
白血病
,
放射線療法
,
卵巣
,
リスク
,
診療ガイドライン
,
妊孕性温存
,
生殖毒性
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Leukemia
,
Ovary
,
Risk
,
Radiotherapy
,
Testis
,
Practice Guidelines as Topic
,
Fertility Preservation
pp.265-269
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015323341
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挙児希望のある症例においては,再発後の治療や早発閉経の可能性を見据えて,治療開始前に妊孕性温存についての処置を可能な限り検討する.アルキル化薬を用いた化学療法や放射線照射は影響が強く,永続的な不妊になる可能性がある.初発時の急性骨髄性白血病(AML)や急性リンパ性白血病(ALL)の標準的治療では,永続的不妊になることはまれである.女性患者の場合,胚凍結保存が推奨されるが,未婚者の場合は未受精卵(卵子)凍結保存が検討される.採卵が不可能な症例において,造血幹細胞移植が行われる場合は,卵巣遮蔽全身放射線照射併用の前処置を行うことも選択肢の一つである.男性患者の場合は,治療開始後において標準的な妊孕性温存の方法がないため,可能な限り治療前の精子凍結保存を検討する.
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