特集 内科医に求められる他科の知識―専門家が伝えるDo/Don’t
第4章 泌尿器科
腎がん
今田 憲二郎
1
,
江藤 正俊
1
1九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野
pp.1877-1880
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1877
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
腎がんとは
わが国における腎がんの現状であるが,罹患数は10万人あたり約6人で,50歳ころより増加し高齢になるほど罹患率の上昇を認める.性別を問わずがん死亡全体の約1%を占めており,2010年の死亡数は男性約2,700人,女性約1,300人であった.約3分の2の症例は早期発見されることから通常は手術療法が施行され,現在でも手術療法は腎がん治療の第一選択である.しかし,根治手術を施行された症例においても3~4割において局所再発や転移をきたし,また,全体の約3分の1の症例は進行した状態で見つかるため,全身療法の重要性も高い.近年腎がんの治療は,手術療法においてはロボット支援腎部分切除術の保険収載,また全身療法については分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬など新たな治療薬の導入やリスク分類に基づいた併用療法の導入など多岐にわたり,泌尿器科領域において最も劇的に治療法の変化を認めている領域といえよう.
© Nankodo Co., Ltd., 2019