特集 腫瘍随伴症候群とオンコロジーエマージェンシー―病態や治療に伴う多彩な症状
全身症状を呈するオンコロジーエマージェンシー
電解質異常
関根 郁夫
1
,
會田 有香
1
,
鈴木 英雄
1
キーワード:
PTH関連蛋白
,
局所溶骨性高Ca血症
,
SAIDH
Keyword:
PTH関連蛋白
,
局所溶骨性高Ca血症
,
SAIDH
pp.1583-1589
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1583
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Summary
▪血清Ca値の評価は,血清Alb値を用いた補正血清Ca値で行う.
▪悪性腫瘍に伴う高Ca血症の原因として最も多いのは,腫瘍細胞から分泌される副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)によって発症する腫瘍随伴体液性高Ca血症である.
▪中等度以上の高Ca血症では,まず生理食塩水による補液を行う.
▪血漿浸透圧は主に抗利尿ホルモンによって調整されている.
▪血漿浸透圧の低下を伴う低Na血症は,体液量を評価することでその原因・病態をつかむことができる.
▪意識障害を伴う重症な低Na血症を認めた場合,3%NaCl液150mL静脈内投与によって治療を始めるが,浸透圧性脱髄症候群の危険因子や低Na血症が過剰に補正される病態に留意する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019