特集 神経疾患の現在とこれから
研究の最前線
Muse細胞による神経疾患の再生医療
出澤 真理
1
1東北大学大学院医学系研究科細胞組織学分野
キーワード:
多能性幹細胞
,
修復
,
細胞分化
,
点滴
Keyword:
多能性幹細胞
,
修復
,
細胞分化
,
点滴
pp.1311-1314
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_1311
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Summary
▪Muse細胞は腫瘍性をもたない生体内多能性修復幹細胞であり,骨髄,末梢血,各臓器の結合組織に分布し,組織恒常性に関わっている.
▪点滴投与で傷害部位に集積するので,外科的手術による投与は不要である.
▪傷害組織に集積すると,同時多発的に組織を構成する複数の細胞種に分化することで修復する.「場の論理」に応じて分化するので,投与前の分化誘導を必要としない.
▪他家Muse細胞の利用においてヒト白血球抗原(HLA)適合や長期間にわたる免疫抑制薬投与を必要としない.脳梗塞,心筋梗塞,表皮水疱症で「他家Muse細胞の点滴による治験」が進められている.
© Nankodo Co., Ltd., 2019