心筋症 診断の進歩と治療のブレークスルー2009
トピックス 心筋症治療の未来 iPS細胞への期待
江頭 徹
1
,
福田 恵一
1慶応義塾大学 医学部循環器内科
キーワード:
ベクター(遺伝子)
,
細胞分化
,
心筋疾患
,
胚性幹細胞
,
幹細胞移植
,
多能性幹細胞
Keyword:
Cell Differentiation
,
Genetic Vectors
,
Cardiomyopathies
,
Stem Cell Transplantation
,
Pluripotent Stem Cells
,
Embryonic Stem Cells
pp.537-541
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009118839
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循環器領域において重症心不全への新たな治療法の開発はきわめて重要な課題であると考えられ、難治性の心不全の治療手段の一つとして再生医療・細胞移植医療があげられる。移植細胞ソースとして体性幹細胞(心筋幹細胞)、胚性幹細胞(ES細胞)などが以前から注目されてきたが、近年、京都大学が世界に先駆けて報告した誘導多能性幹細胞(iPS細胞)が脚光を浴びている。iPS細胞はES細胞とほぼ同等の性質をもっており、移植細胞ソースとしてきわめて優れているうえ、患者自身から樹立できるため、ES細胞の抱える生命倫理的問題や、移植の際の拒絶免疫を克服できる。iPS細胞は患者自身の細胞から作製できるという利点に着目し、疾患特異的iPS細胞を樹立し、新たな疾患研究・新薬研究が行える可能性がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2009