特集 抗菌薬選択の実際―AMR(薬剤耐性)対策は日々の診療から
起因菌と有効な抗菌薬をあわせて理解する
《グラム陽性菌》
Enterococcus faecalis,Enterococcus faecium
-抗菌薬選択に頭を悩ますレンサ球菌
大串 大輔
1
Daisuke OKUSHI
1
1がん研究会有明病院感染症科
キーワード:
Enterococcus faecalis
,
Enterococcus faecium
,
vancomycin耐性腸球菌(VRE)
Keyword:
Enterococcus faecalis
,
Enterococcus faecium
,
vancomycin耐性腸球菌(VRE)
pp.99-102
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_99
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Summary
▪臨床検体から分離される腸球菌は主にEnterococcus faecalisとEnterococcus faeciumであり,E. faecalisの占める割合が多い.
▪腸球菌は主に院内環境において,尿路感染症,胆道感染症,術後感染症,カテーテル関連血流感染症,感染性心内膜炎などのさまざまな感染症の起因菌となる.
▪腸球菌はセファロスポリン,カルバペネム(imipenemを除く)に自然耐性を示す.
▪ペニシリン感受性の場合はペニシリンGやampicillinが,そうでない場合はグリコペプチド系抗菌薬が第一選択となり,重症例ではアミノグリコシドやceftriaxoneとの併用療法を検討する.
▪近年,欧米や近隣諸国でvancomycin耐性腸球菌が拡散し,問題となっている.
© Nankodo Co., Ltd., 2018