特集 抗菌薬の使い方—敵はコロナだけにあらず! 今こそ基本に立ち返る
微生物サイドから考える抗菌薬の使い方
<グラム陽性球菌>
レンサ球菌—Streptococcus pneumoniae, viridans group streptococci, β-hemolytic streptococci
宇野 俊介
1
1慶應義塾大学医学部感染症学
キーワード:
ペニシリン
,
肺炎球菌
,
αレンサ球菌
,
β溶血性レンサ球菌
Keyword:
ペニシリン
,
肺炎球菌
,
αレンサ球菌
,
β溶血性レンサ球菌
pp.1062-1066
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228305
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Point
◎肺炎球菌は,肺炎をはじめとする気道関連感染症,髄膜炎,感染性心内膜炎,敗血症,脾摘後の劇症型感染症などを生じる.
◎αレンサ球菌は,口腔内から腸管に至る経路の常在菌で,亜急性心内膜炎が最も重要な感染症である.S. anginosus groupは口腔内や咽頭の膿瘍,脳膿瘍,腹腔内膿瘍などを形成する場合がある.
◎β溶血性レンサ球菌は咽頭炎や皮膚軟部組織感染症のほかに,感染性心内膜炎,化膿性関節炎,敗血症などのさまざまな感染症を引き起こす.
◎レンサ球菌のほとんどはペニシリンに感受性であるが,感染性心内膜炎や骨髄炎などの治療が長期化する感染症を引き起こす場合があるため,狭域抗菌薬での十分な治療が重要である.
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