増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック
各論 菌種別の培養・同定方法
グラム陽性球菌
肺炎球菌—Streptococcus pneumoniae
山本 剛
1
1神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
pp.262-264
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208288
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Summary
肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)はヒトから分離されるポピュラーな菌である.病原性が高く,敗血症や髄膜炎などの重篤な感染症を引き起こし,最悪の場合は死亡する.莢膜を有するため免疫回避を起こし,小児や高齢者,脾臓機能が落ちた患者や多発性骨髄腫など液性免疫が低下している患者で頻回に感染を起こすためワクチン接種を行っている.第一選択となるペニシリンG(PCG)の耐性菌は治療に難渋し,特に組織移行の悪い髄膜炎を起こしている場合は大きな問題になる.そのため,PCGの感受性は投与経路や髄膜炎,非髄膜炎それぞれに判定基準が設けられており,微生物検査技師としては必ず知っておきたい内容である.
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