特集 もっとうまくいく! 病診連携の「伝え方」―わかりやすく伝えるための診療情報提供書作成のコツ
第Ⅱ章 <診療科別>コンサルトのポイント
F.腎臓内科へコンサルト
3.ネフローゼ症候群
石本 卓嗣
1
1名古屋大学医学部附属病院腎臓内科
pp.589-591
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_589
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ネフローゼ症候群は,腎糸球体係蹄壁(毛細血管壁)の障害により大量の蛋白尿とこれに伴う低Alb血症や全身の浮腫をきたす腎疾患群である.主症状は低Alb血症に起因する圧痕性の浮腫で,発症早期は眼瞼など局所浮腫であるが,進行すると両側下腿などに広がり,胸腹水を伴う全身性の浮腫へと拡大する.また,血液凝固能が亢進し静脈血栓症が合併しやすい.高度の蛋白尿が長期間持続すると腎機能が慢性的に低下するが,とくに高度の尿蛋白量・低Alb症の症例では急性腎障害を呈する例もある.左右差のある下肢浮腫を認める場合には下肢深部静脈血栓症を疑う必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2018