特集 もっとうまくいく! 病診連携の「伝え方」―わかりやすく伝えるための診療情報提供書作成のコツ
第Ⅰ章 困った事例と,書き方のコツ
A.記載がなくて困った事例
1.紹介された目的がわからない!
松本 英之
1
1三井記念病院神経内科
pp.374-377
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_374
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診療情報提供書の傷病名に「末梢性神経障害性疼痛」,「身体表現性障害の疑い」と記載されており,これらの病名は,しばしば神経内科で診断する疾患である.基本的に痛みを客観的に捉える検査がないため,痛みを訴える患者さんの診断は難しく,一般内科医の先生ではしばしば診断に難渋する.そのため,痛みを訴える患者が神経内科によく紹介されてくる.痛みはどこからきているのか? 具体的には,筋・末梢神経・脊髄・脳などのうち,どこの障害からきているのか? ストレスやうつなどの心因性の要素により,身体表現性障害として,痛みを訴えている可能性はないのか? 器質的な障害に心因性要素が加わり,病態が複雑になっていないか? など,その診断を担うことができるのは神経内科医である1).
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