増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 2 血球計数検査
1.血球計数検査
1)検査の目的と意義
桑島 実
1
1香川県立中央病院
pp.676-678
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905417
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はじめに
血球計数は血液疾患や血液に異常をきたす病態を診断し,治療効果を見るとき,最も基本になる必須検査である.自動血球計数器あるいは自動血液分析装置の普及と進歩に伴い,いつでも,どこでも,容易に実施できる血球計数は尿一般検査と同様,すでに診察の一部とみなされてきた.また,健康診断や日常初期診療では最もよく利用されているスクリーニング検査項目の1つでもある.しかし,検査の有効活用という観点から,ただ漫然と機械的に検査するのではなく,血球計数の目的と意義を十分知り検査する必要がある(表1).すなわち,病歴,症状,身体所見などの臨床所見から鑑別診断をいくつか想定し,血球計数値に異常があると予想される場合,あるいは血液の異常を否定する必要がある場合に検査する.また,受診者や患者が抱えている血液に関係した問題点の解決に必要な最初の検査として活用する.たとえ簡便な血球計数であっても,患者の利益につながらないと予想される場合は検査すべきではない.
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