特集 じっくりじんわり神経診察―実臨床での胆力をつけるために
疾患に応じた神経診察
風邪のなかにひそむ髄膜炎を見抜くために
-髄膜刺激徴候とjolt accentuationの限界と応用
内原 俊記
1,2
Toshiki UCHIHARA
1,2
1新渡戸記念中野総合病院神経内科
2東京医科歯科大学脳神経病態学
キーワード:
髄膜炎
,
髄膜刺激徴候との乖離
,
jolt accentuation
Keyword:
髄膜炎
,
髄膜刺激徴候との乖離
,
jolt accentuation
pp.1173-1176
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_1173
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Summary
▪項部硬直,Kernig徴候の感度は低く,陰性でも髄膜炎の可能性は残る.
▪jolt accentuation(JA)は首の回旋に伴う頭痛の増悪で,急性髄膜炎で高頻度にみられる.
▪最近起こった頭痛・発熱患者で,神経症状や意識障害を欠く例に限ればJAが髄液細胞増多を予見する感度は他の髄膜刺激徴候より高く,腰椎穿刺の適応決定に有効である.
▪神経症状や意識障害を伴う場合は,JAの有無にかかわらず腰椎穿刺の適応となる場合が多い.
▪脳実質は痛みを受容する系を備えておらず,実質病変が二次的に髄液細胞増多を起こしても,頭痛やJAが目立たない場合がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2018