特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅶ章 高齢者の慢性疾患管理法
2.脂質異常症
岡﨑 啓明
1
Hiroaki OKAZAKI
1
1東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科
pp.823-828
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_823
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Summary
▪高齢者とひとくくりにはできず,ケースバイケースで治療方針を考えることが大切である.
▪多剤の服薬状況,併発疾患,全身状態などに留意をしつつ,治療が過剰とならないように注意する.
▪逆に動脈硬化リスクが高い場合には,高齢者だからという理由で過小な評価とならないように気をつける.加齢は動脈硬化のリスクでもある.
▪診断にあたっては,原発性脂質異常症(高齢者となってから診断されるケースもある),二次性脂質異常症(高齢者では症状が非典型的なことがある)の鑑別に留意する.
▪高齢者ではエビデンスが不十分なことも多いが,エビデンスは大切であり,ガイドラインを参考に診療方針を見直し,漫然と治療継続しないように留意する.
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