特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅶ章 高齢者の慢性疾患管理法
3.糖尿病
石川 崇広
1
,
横手 幸太郎
2
Takahiro ISHIKAWA
1
,
Kotaro YOKOTE
2
1千葉大学医学部附属病院高齢者医療センター
2千葉大学大学院医学研究院細胞治療内科学講座,高齢者医療センター
pp.829-835
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_829
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪高齢者糖尿病では高血糖によるサルコペニアやフレイル,認知症の発症リスクが高い.
▪一方で低血糖も認知症や転倒の発症リスクを高め,自覚症状も乏しいことから注意が必要である.
▪2016年5月に「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)」が発表され,患者の認知機能やADLの評価に基づき,とくに低血糖を避けることを重要視した段階的な治療目標が推奨された.
▪実際の臨床現場ではこの指針に基づき,さらに患者の心理状態,QOL,社会・経済状況,患者や家族の希望などを考慮して,個々の患者ごとに個別に目標を設定することが重要となる.
© Nankodo Co., Ltd., 2018