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今月の特集1 脂質異常症の遺伝背景
脂質代謝関連分子の異常と疾患総論
Dyslipidemia: genetic defects and their related disorders
岡﨑 啓明
1
1自治医科大学医学部内科学講座内分泌代謝学部門
キーワード:
脂質異常症
,
リポタンパク代謝
,
合併症
,
原因遺伝子
,
遺伝子診断
Keyword:
脂質異常症
,
リポタンパク代謝
,
合併症
,
原因遺伝子
,
遺伝子診断
pp.832-838
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200690080832
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Point
●脂質異常症はリポタンパク異常症である.どのリポタンパクが増減しているかによる分類〔世界保健機関(WHO)分類〕は,病態・合併症の理解,原因遺伝子の検査に役立つ.
●Friedewaldの式“LDL-C=TC−HDL-C−TG/5”は,健常者では空腹時の血中のリポタンパクは主に超低比重リポタンパク(VLDL),低比重リポタンパク(LDL),高比重リポタンパク(HDL)からなることが根拠となっている.
●原発性脂質異常症のうち,家族性高コレステロール血症(FH),原発性高カイロミクロン血症(PCM),無βリポタンパク血症(ABL),家族性低βリポタンパク血症1(FHBL1)ホモ接合体,タンジール病では,遺伝子検査が保険適用となっている.
●診断と治療の困難なケース,遺伝子異常による脂質異常症が疑われるケースは,脂質異常症専門外来に相談する.
●LDL-コレステロール(LDL-C)>180,トリグリセリド(TG)>1,000,TGと総コレステロール(TC)がともに高値(>350),HDL-コレステロール(HDL-C)>120,LDL-C<15(apoB<15),HDL-C<25(単位はいずれもmg/dL)がおよその紹介基準となる.

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