特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅵ章 高齢者の救急疾患
7.尿路感染症
平井 潤
1
Jun HIRAI
1
1沖縄県立宮古病院/琉球大学医学部附属病院感染症・呼吸器・消化器内科学(第一内科)
pp.805-808
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_805
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪高齢者における尿路感染症は,前立腺肥大や神経因性膀胱などを合併する複雑性尿路感染を主に引き起こす.そのため,推定される原因菌の治療のみならず,基礎疾患に対する治療も同時に必要となる(外科的治療も検討).
▪尿路感染症に特異的な検査はなく,とくに高齢者はコミュニケーションがとれないことも多いため,丁寧な問診や診察を心がける.
▪治療を開始する前には必ず,尿培養に加え,血液培養も採取する.
▪尿路感染症の場合,臨床学的効果を治療評価の目安とすることが望ましい.
▪とくに高齢者の場合,治療に難渋する症例や,再発を繰り返す症例も多いため,薬剤耐性菌の出現にも注意しなければならない.尿を取り扱う場合には,接触予防策を遵守する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018