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特集 尿路感染症—その変貌と対策
尿路感染症の変貌
Prospective Review of Urinary Tract Infection
名出 頼男
1
Yorio Naide
1
1藤田学園保健衛生大学泌尿器科学教室
1Department of Urology, Fujita-Gakuen University, School of Medicine
pp.517-521
発行日 1986年7月20日
Published Date 1986/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204295
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尿路感染症の変貌とはいつても,感染の本質がそれ程に変わつて来ているわけではない。たとえば,癌の死亡率の順位が変わつたもののうちでも,それぞれの癌の本態が環境の変化などによつて本質的に変貌を来したとは言えないことと同様である。
抗生物質の登場が,一時期感染症の消滅をもたらすのではないかと思われるほど画期的ではあつたにせよ,結局は所謂primary infectionによる死亡が(結核も含めて)極めて減少するという現象をもたらす一方,opportunistic infectionと呼ばれるものがクローズアップされるに終わつている。これは感染症すべてについて言われるようになり,これが尿路感染症で特に顕著に見られることは周知の事実である。
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