特集 診断ピットフォール10選─こんな疾患,見逃していませんか?
【各論❼】
治療後も食思不振が続く
谷 直樹
1
1諏訪中央病院呼吸器科
キーワード:
肺結核
,
高齢者結核
Keyword:
肺結核
,
高齢者結核
pp.845-848
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200335
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case : 診断は何か?
患者:94歳,女性.
主訴:発熱.
既往歴:胆囊炎以外に特に大きな既往なし.ADLは軽介助で移動可能.
現病歴:受診の7日前に発熱.その後いったん解熱するも,入院の前日に再び38℃の発熱を認め,当院内科外来を受診.体温 38.1℃,SpO2 94%(室内気),胸部CTで右上葉に気管支透亮像を伴う浸潤影を認め(図1),「肺炎」の診断で入院.入院後低酸素血症の進行,血圧低下を認めたため,重症肺炎としてアンピシリン/スルバクタム+レボフロキサシンで治療が開始された.
その後,発熱・呼吸状態・画像所見は改善したが(図2),倦怠感の訴え,食思不振が続いた.甲状腺機能低下症,電解質異常,薬剤性などの検索,うつ,せん妄の可能性も考慮して介入を行ったが,改善せず.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.