特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅰ章 高齢者の特性を理解する~生理機能の加齢変化~
5.心血管機能
吉栖 正生
1
Masao YOSHIZUMI
1
1広島大学大学院心臓血管生理医学
pp.592-596
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_592
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪加齢により収縮期血圧は上昇する.拡張期血圧は早期に上昇するが50歳ごろから下降する.その結果として脈圧は加齢により著明に上昇する.平均動脈圧は早期に上昇するが50歳以降は微増に留まる.
▪加齢により大動脈の伸展性が低下し,脈波伝播速度が増大する.
▪加齢により血流依存性血管拡張反応でみる血管内皮機能が低下する.
▪加齢により安静時の心臓の収縮能(駆出率および心係数)はほとんど変化しないが最大運動時の収縮能は低下する.心臓の拡張能は加齢により著明に低下する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018