特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅹ章 高齢者の慢性期医療の実際
7.災害時における医療提供
古川 勝敏
1
,
宮澤 イザベル
1
,
大原 貴裕
1
,
住友 和弘
1
,
佐藤 滋
1
Katsutoshi FURUKAWA
1
,
Isabelle MIYAZAWA
1
,
Takahiro OHARA
1
,
Kazuhiro SUMITOMO
1
,
Shigeru SATO
1
1東北医科薬科大学医学部地域医療学教室
pp.1017-1022
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_1017
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Summary
▪高齢者は,自然災害,人的災害において最も脆弱な集団の一つだと言える.理由は以下に列記する.
▪元々若年者に比べ身体機能が衰えており,建造物の倒壊,火災,津波といった災害の直接のダメージに脆弱である.
▪歩行や移動の能力が低下しており避難がスムーズにできない.
▪避難所,仮設住宅での亜急性期において,肺炎,脱水,低体温症といった新たな疾病に罹患する可能性が高い.
▪災害後「急性期」,「亜急性期」,「慢性期」においてそれぞれ,高齢者の健康を守るため,医療者はより手厚い医療を提供するべきである.
© Nankodo Co., Ltd., 2018