特集 すぐそこにある心血管エマージェンシー
急性心血管疾患:知識が救命につながる
急性B型大動脈解離に対する早期診断と初療
安積 佑太
1
,
加地 修一郎
1
Yuta AZUMI
1
,
Shuichiro KAJI
1
1神戸市立医療センター中央市民病院循環器内科
キーワード:
急性大動脈解離
,
合併症
,
内科治療
,
外科治療
,
TEVAR(胸部ステントグラフト内挿術)
Keyword:
急性大動脈解離
,
合併症
,
内科治療
,
外科治療
,
TEVAR(胸部ステントグラフト内挿術)
pp.1285-1290
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika120_1285
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Summary
▪急性大動脈解離の主訴は胸背部痛とは限らない.胸背部痛以外の痛みが主訴である場合や,痛みがない場合もある.
▪緊急手術を要することが多い急性A型大動脈解離はもちろんであるが,急性B型大動脈解離も致死的疾患であり緊急度,重症度ともに高く,見逃すことができない.
▪診断においては,問診,身体所見や胸部X線検査では確定診断にはいたらず,画像診断が必須である.したがって,まず疑うことが正しく診断する鍵である.
▪画像診断においては,解離の範囲,合併症の有無を正しく把握することが重要である.
▪合併症を有する急性B型大動脈解離は致死的であり,早期の手術やTEVAR(胸部ステントグラフト内挿術)が推奨されている.
▪合併症を有さない症例に対しては内科加療が施行されるが,慎重に経過を観察する必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2017