特集 内科医と睡眠障害―睡眠障害の診断と治療をプライマリ・ケアに
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群の検査と診断
西島 嗣生
1
,
櫻井 滋
1
Tsuguo NISHIJIMA
1
,
Shigeru SAKURAI
1
1岩手医科大学睡眠医療学科
キーワード:
閉塞性睡眠無呼吸
,
検査室外睡眠検査
,
睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)
Keyword:
閉塞性睡眠無呼吸
,
検査室外睡眠検査
,
睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)
pp.1113-1121
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika120_1113
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Summary
▪閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は臨床で最も遭遇しやすい睡眠呼吸障害である.しかし,画像診断や血液検査,酸素飽和度測定のみでは確定診断できないため,検査の前に病歴や症状・身体所見からOSAを疑う必要があり,いくつかの有用な補助的評価法がある.
▪客観的診断は重症例では脳波記録を省いた簡易的検査から得られる呼吸障害指数(RDIあるいはREI)のみで診断できる.
▪軽症や中等症例および中枢性無呼吸など,OSA以外の睡眠障害や心不全が合併する場合には,終夜の脳波記録を含む睡眠ポリグラフ検査(PSG)による無呼吸低呼吸指数(AHI)や呼吸努力,睡眠の分断など所見を確認する必要がある.
▪診断後の治療である経鼻的持続気道陽圧療法(nCPAP)の健康保険適用要件として,現時点では簡易検査ではREI 40以上,PSGでAHI 20以上を確認する必要がある.
▪軽症(REI 5~19)から中等症(REI 20~39)例で,とくに臨床症状がみられる場合には確定診断と治療選択のためにPSGが可能な施設に紹介するのが適切である.
© Nankodo Co., Ltd., 2017