Book Review
新肺高血圧症診療マニュアル―根治を目指す最新の治療指針
筒井 裕之
1
1九州大学大学院医学研究院循環器内科学
pp.1094-1094
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika120_1094
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肺高血圧診療の “バイブル” である『肺高血圧症診療マニュアル』が改訂された.5年ぶりに『新肺高血圧症診療マニュアル 根治を目指す最新の治療指針』となっての登場であるが,この間に新たな薬剤が次々と登場するとともに,慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension:CTEPH)に対するバルーン肺動脈形成術(balloon pulmonary angioplasty:BPA)も広まり,肺高血圧治療は大きく進歩してきた.旧版を使用しておられた先生方にとっては,待ち望んだ改訂であろう.新版を初めて手にされた先生方にとっても,まさにスタンダードマニュアルの登場であろう.
今回,内容は一新され,そのレベルはまさにグレードアップされている.病態・診断・治療がわかりやすく,かつコンパクトにまとめられている.とくに治療については「診療指針と実践」として特発性および遺伝性,慢性血栓塞栓性,その他(膠原病,先天性心疾患など),特殊といったそれぞれの病型ごとにポイントと注意点が整理されていて,現時点での肺高血圧症の標準的内科治療(optimal medical therapy:OMT)が理解できるように構成されている.
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