胸部外科医の散歩道
「国の借金」と「通貨」と「国債」
佐川 元保
1
1東北医科薬科大学/静風会大垣病院
pp.155
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu78_155
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「国の借金,一人当たり1,000万円」と世間で喧伝されています.そのせいであらゆる予算がカットされ,大学交付金は年々削減,世界でのプレゼンスも低下し続けています.地方交付税交付金も減らされ自治体財政は火の車,インフラ改修もできず自治体病院は経営難,診療報酬も低く抑えられ医療者の給与も上げられません.給与が上がらなければ消費は伸びず,物価は上がれど景気回復には程遠い状況です.したがって「国の借金」を考えることは,医療者としても一国民としても極めて重要です.ただし「国の借金」の理解には,「通貨と国債の関係」の理解が必須です.
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