特集 心房細動に対する外科治療2024
特集「心房細動に対する外科治療2024」によせて
小野 稔
1
1東京大学心臓外科
pp.3
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu77_3
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心房細動に対するmaze手術は,1980年代後半にcut-and-sewによる心房内伝導調整とリエントリー回路予防をめざして開始された.わが国で普及し始めたのは,クライオアブレーションによる切開線の削減が可能であることが示された1990年代後半からである.その後,さまざまなエネルギーデバイスによるアブレーションラインの代替とともに,アブレーションラインの変更や省略がすすみ,maze Ⅳ手術の完成にいたった.ほぼ同時期にカテーテルアブレーション技術が導入・改良され,単独心房細動の治療としての役割を占めるようになってきた.本特集では触れていないが,カテーテルアブレーションのデバイスも多くの変遷を経て,最近では世界的にパルスフィールドアブレーションが脚光を浴びており,わが国への導入も目前となっている.
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