1枚のシェーマ
EVAHEART臨床治験第1例目
山崎 健二
1
1北海道循環器病院
pp.370
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu76_370
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1990年当時,末期重症心不全に対する回転型の植込み型左室補助人工心臓(LVAD)はまだ存在しておらず,筆者は心臓外科医として手術に明け暮れながら,なんとか回転型LVADを実現できないかと研究開発に着手した.1993年に米国ピッツバーグ大学に留学し,回転型LVADにおいて最大の課題であった「回転軸の血液シール」問題を,「クールシールシステム」の考案により解決した.また,本来「定常流」である回転型LVADが「左室-大動脈圧較差の変動により拍動効果をもつ」こと,さらにLVADの「圧-流量曲線が平坦なほど拍動効果が高い」ことを発見した.「生理的拍動流を血液障害なく復元」できるよう,さまざまなアイデアを思いついてはスケッチを重ね,EVAHEARTの基本設計を行った(図1).
© Nankodo Co., Ltd., 2023