1枚のシェーマ
左肺門部肺癌の1切除例
岸本 晃司
1
1立川綜合病院呼吸器センター
pp.348
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu75_348
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症例は72歳,男性.左肺門部を占拠する扁平上皮肺癌を肺動脈(PA)形成と上葉スリーブ切除術で摘出した症例である.まず心囊内で左上肺静脈を処理した後にPAの処理にかかったが,A4+5とA3+A1+2a+bでは根部にまで腫瘍が浸潤していた.このためPA本幹および下肺静脈を遮断した後,根部でこれらを切除し,直接縫合および自己心膜パッチでPAを形成した(図1).その後,上葉スリーブ切除・再建を行った.患者はアウトドアの好きな方で,術後に外来にこられるたびに山へ川へと遊びにいった話をされ,全摘を回避してよかったと喜んだ症例であった.
© Nankodo Co., Ltd., 2022