1枚のシェーマ
重複大動脈弓を有する高度進行食道癌症例に対する両側胸腔鏡手術
亀井 尚
1
1東北大学消化器外科
pp.272
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu75_272
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症例は73歳,男性.胸部中部の高度進行食道癌で,画像診断より重複大動脈弓(double aortic arch:DAA),typeⅠ-A型であることが判明した.左右大動脈弓がなすリングの狭い間隙を気管と食道が通り,気管分岐部転移リンパ節は大きく腫大し,術前化学療法後も主腫瘍は心囊への浸潤が否定できない状態であった.3Dプリンターで血管,気管,食道の実寸モデルを作成して,両側胸腔鏡アプローチが必要と判断し,手術の戦略を立てた.右胸腔から腫瘍剝離を行ったが心囊から剝離できず(図1),左胸腔から左肺静脈をみながら心囊の一部を合併切除して切除した(図2).
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