まい・てくにっく
急性大動脈解離における大動脈断端形成
吉武 明弘
1
,
湊谷 謙司
2
1埼玉医科大学国際医療センター心臓血管外科
2京都大学心臓血管外科
pp.252-253
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu75_252
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1)Frozen elephant trunk(FET)使用時の末梢断端形成(図1):FETを使用する際,zone 3で吻合する場合には左鎖骨下動脈の入口部の末梢で大動脈を離断,zone 2で吻合する場合には左総頸動脈に切り込むことで頸動脈の一部を末梢吻合部に利用するようにしている.その場合には左鎖骨下動脈は約1 cm残して離断し,中枢側はフェルト付き4-0ポリプロピレン糸で縫合閉鎖する.FETグラフトは非ステント部を1~3 cmにするように挿入し,非ステント部は大彎側を1 cm程度長く残すように斜めに切除する.フェルトを外側に巻き,4-0ポリプロピレン糸で2時方向から後壁側を逆の糸針で前壁側を連続で吻合する.この際には外膜を確実にとるようにすることと,FETグラフトが若干はみ出るようにする.筆者は末梢断端形成の偽腔へのグルーは使用していない.人工血管はFETグラフトに内挿するように2時方向から同様に後壁を連続縫合し,逆糸で前壁側を縫合する.
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