特集 緊急対応を要する循環器疾患
救急対応を要する代表的な循環器疾患の診断と治療
急性大動脈解離
塩村 玲子
1
,
圷 宏一
2
1日本医科大学付属病院 心臓血管集中治療科
2日本医科大学付属病院 循環器内科
キーワード:
胸痛
,
背部痛
,
臓器血流障害
,
心タンポナーデ
,
ショック
,
高血圧
,
血圧左右差
,
胸部大動脈血管内治療(TEVAR)
Keyword:
胸痛
,
背部痛
,
臓器血流障害
,
心タンポナーデ
,
ショック
,
高血圧
,
血圧左右差
,
胸部大動脈血管内治療(TEVAR)
pp.365-370
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_365
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Summary
▪急性大動脈解離(AAD)は致死的な循環器救急疾患であり,胸痛の重要な鑑別疾患である.
▪本疾患の救命率を上げるには,胸痛・胸背部痛の患者をみた場合は本疾患を常に念頭に置き,丁寧な病歴聴取,身体所見の確認,検査を行って,迅速な診断を得ることが必要である.
▪「突然発症の強い,引き裂かれるような胸背部痛が移動する,血圧の左右差20mmHg以上,180mmHg以上の高血圧,心囊液貯留を伴うショック(心タンポナーデ)」をみたら,AADを強く疑う.
▪とくに臓器血流障害と心タンポナーデに注意しながら,適切に保存的治療,手術,血管内治療を選択することが大切である.
© Nankodo Co., Ltd., 2022