特集 胸部外科領域における再手術up to date
特集「胸部外科領域における再手術up to date」によせて
近藤 丘
1
,
小野 稔
1
1編集主幹
pp.727-728
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu74_727
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心臓大血管初回手術の遠隔成績の向上と健康寿命の伸長に伴って,心臓大血管再手術に遭遇する機会が増えてきた.心臓大血管再手術が必要となる患者の多くは高齢者であるために,手術リスクは高くなることが一般的である.手術技術の向上とともに治療デバイスの革新も急速に進行しており,経皮的冠状動脈ステント留置術,経カテーテル大動脈弁置換術やステントグラフト挿入術などがハイリスク再手術例に適用されるようになっていることは周知のとおりである.心臓大血管外科分野の再手術のアプローチとして,しばしば右開胸手術が僧帽弁・三尖弁手術の一部の症例で適用されるようになってきたが,現時点においても再正中切開がゴールドスタンダードとなっている.また,複雑な先天性心疾患の手術治療成績も向上し続けており,単心室症例に対する計画的な段階手術や成人期に到達した症例に対する遠隔期再手術も増加傾向にある.
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